”東京学芸大学物理学教室物理同好会”定例会報告
文責: 和田義親
日時:令和7 年(2025 年)11 月 8日(土) 14:30〜16:00
場所:荒川研究室(自M401)
参加者
顧問:荒川悦雄(remote)
OB:木下昭一、小澤幸光、和田義親(リモート)、間宮哲人(リモート)
報告
ミニ講演
・演者:木下昭一
・演題:物理での区分求積法
・要旨
1.問題点:
初等物理から物理学への壁が厚い
初等物理で微分積分を使う受験物理がある
微分積分は極限値としての結果を扱うので初学者にはなじみが薄い
初等物理の段階で微分積分を使うと数学に気をとられて物理的意味にまで至らない可能性がある
2.解決策:
やむを得ず微分積分を使うときにはまず区分求積を用いて物理的意味を中心に考える
次の段階で分割を無限大にもっていくことで必然性と明快さを伴うように極限値を得る
結果の物理的意味を再度吟味する
3.初等力学の運動の扱い:
位置x,速度v,加速度aを学ぶが,速度vは位置xの微分であり,加速度aは速度vの微分である。
一般には位置xの時間的変化tの傾きとして速度vが考えられ,速度vのグラフのつくる面積が位置xを与えることで教材がつくられる。
速度の時間に関するグラフの傾きは加速度aとして考えられる。加速度のグラフのつくる面積は速度vを与えることが教材になっている。
この関係は力学台車の実験の中で打点のグラフの処理と合わせて直感的にもわかりやすい形で教材化されている。
この段階でも区分求積法を使う指導が存在するがシグマ記号に対するアレルギーもあるので,普及しているというより,教科書の片隅に顔を出していることが多い。
4.振動を扱う
5.サイン関数の積分を区分求積で求める
6.交流の実効値を求める
7.静電気の問題を解く
8.直線電流による磁場
9.ガウスの定理
10.線積分
11.面積分
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