2017年度ニュートン祭開催報告

2017年12月2日(土)、物理科祝会を兼ねて下記のプログラムでニュートン祭が東京学芸大学環境教育実践施設【多目的実験室】で開催されました。参加者は1953年度入学者から1994年度入学者までの15名、学芸大学物理学教室の先生1名、現役学部生6名(4年生2名、3年生2名、2年生2名、1年生1名)、合計22名の参加でした。

プログラム

  受付 14:00
1. 開会と活動報告  14:30〜14:35 
  和田義親
2.  講演  司会:和田徳雄
   物理学教室主任御挨拶
 植松晴子先生
14:35〜14:40
 (1)  山口敦史
フォグリ研3年
「東京学芸大学物理同好会設立報告」
 (2)  上田正和 荒川研4年
「アルミパイプ内部に生じる虹模様」 
 (3)  中澤太郎  A類2年
「エタノール拡散型霧箱の作製」
3.  研究室紹介   16:00〜16:10
     各研究室3年生
 *  質問用紙回収、設営 16:10〜16:30
5. 懇親会  16:30〜19:00
乾杯
    飲食しながら歓談
    講演者への質問とコメント&講演者の返答
    学生の自己紹介とOB・OGへの一言
     卒業生と教員からの一言
  閉会 19:00

 1.  報告
今年は荒川先生が顧問として1年生から3年生に新学期早々呼びかけて物理実験室に集合してもらったところ、学生自ら東京学芸大学物理同好会を設立宣言しました。代表として3年生の山口敦史君が選出されました。また、学年毎に副代表1名ずつ選出されています。
電磁気学の教科書を読む自主ゼミが7月5日まで続けられました。又、エタノール拡散型の霧箱の放射線検出効率を調べる実験が続けられている。
 2.  顧問御挨拶
   物理同好会顧問の荒川先生が出張のため出席できず、物理科学分野主任の植松晴子先生に御挨拶いただきました。
 3. 講演
 (1)  演題1:東京学芸大学物理同好会設立報告
フォグリ研3年 山口敦史(都合により欠席)
物理同好会は学生の自主的な団体であり、荒川悦雄先生が顧問となっている。荒川先生がメーリングリストの管理者となり、物理学教室所属の1年生から3年生と1部の4年生がメンバーとなっている。学生の共通な時間が十分に確保できず活動が制限されている。(代理報告:和田)
 (2) 演題2:アルミパイプ内部に生じる虹模様
荒川研4年 上田正和
市販のアルミパイプを蛍光灯などに向けて覗くと円形の虹模様が観測される。そのメカニズムを解明する実験をした。その結果、アルミパイプ内表面に出来る酸化アルミの膜による薄膜干渉の効果による場合と表面の平行な縞模様による回折格子の効果の場合が考えられる。
 (2) 演題3:エタノール拡散型霧箱の作製
A類2年 中澤太郎
エタノール拡散型の霧箱は多くの研究機関やインターネット上で紹介されているが容器やサイズが様々で検出効率が安定した霧箱を製作するコツを知りたい。そこで、直径約12cm、高さ約10cmの塩ビパイプに、熱電対を直径の両側上部、中部、底部につけた霧箱を作成した。また、斜め2方向から2台のカメラで、飛跡を撮影し、2本の視線の交点を再構成することにより飛跡の出現範囲を再現する仕組みの作製を試みた。
 3. 活動報告
 ・物理科の卒論発表を傍聴させて頂きました。
 ・スーパーカミオカンデの施設見学ツアーを実施しました。
 ・青少年のための科学の祭典in東京に”いろいろな虹をみよう”を出展しました。
 4.  研究室紹介
 荒川研3年生より紹介がありました。
 植松研は先生自らの御紹介でした。
 5.  研究報告への質問またはコメント
   (1)「アルミパイプ内部に生じる虹模様」
・実験で場合によって、自分で軸を設定して、位置を表すこともあるのだと参考になりました。アルマイトの層で干渉しているとか、アルミパイプ表面の筋状のキズが回折格子となって干渉しているとか、予測を立てられるのがすごいと思いました。
図(ピンホールから入射した光がパイプ内で1回反射してパイプの縁を通過する光路)、こういう感じになるであろうと思いついたのかは疑問に思いました。他の経路案とかはなかったのですか。
・リングの生じている位置の特定方法がよく分かりませんでした。特定の角度で目に入射すれば反射回数に寄らず同心リング状に見えるように思います。
 薄膜の屈折率を聞き逃しましたが、波長より短い(聞き違い出なければ)厚さで干渉が起こるのでしょうか。
(2)「エタノール拡散型霧箱の作製」
・2つのカメラで3次元的に測定できるんですね。イメージ的に、もっとたくさんないとダメかと思っていました。
 模式図(箱の)があると言いと思いました。
 温度の測定に、サーモグラフィ的ななものとかは使えないんですかね・・・よく分からないけど・・・。ちょっと難しかったです。
・学生の頃、物理研究会の古い部屋で夜1人で霧箱を作って宇宙線を見ていました。40年以上前の話です。懐かしかったです。これからも頑張って下さい。応援しています。
・位置測定の精度は何で決まっているのでしょうか。
 ビデオで撮った軌道を座標化するソフトを利用できないでしょうか。(少し現代化するかも?)
 5.  アンケート集計
(1)あなたの御身分はどれですか。
@学大の先生:
1   A院生:0   B学部学生:2   COB:2  その他:
(2)今日の講演は良かったですか。
@良かった:
5  Aどちらとも言えない:0   Bつまらなかった:0
(3)ニュートン祭開催の時期は良かったですか。
@早いほうが良い:
2   A丁度良い:3    B遅いほうが良い:0
(4)来年も講演会を実施するならどんな内容が良いですか。
@物理の専門:
1   A科学教育:1    B教育現場:1    C教育行政:0    Dその他:3
その他
・演者、聴衆によると思います。学生の発表なら@ですが、OB方であればA〜Cもよいと思います。
・できれば、毎年会場は同じほうがよいと思います。
・重力波など大きな話題となっている話も聞きたいです。
・将来教育者を目指す学生のためになることなら、何でもよいと思います。


 *  来年度の活動
(1)ニュートン祭は開催します。
(2)物理科学科分野の卒論発表会を傍聴します。
(3)東京学芸大学物理同好会の活動を支援します。
(4)科学の祭典に出展します。

会計報告

収入
昨年度繰越金:      12780円
会費;4000円×16名= 64000円
計              76780円

支出
会場費;生協        37500円
     飲み物(ローソン) 8937円
打合せ会場費(2h)       2200円
計               48637円

残金:76780-48637=    28143円

残金は今後の運営費及び学生支援に利用させて頂きます。

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