青少年のための科学の祭典出展報告

日時:2017年9月24日(日) 8:30~18:30
場所:東京学芸大学講義棟N202教室
出席者:木下昭一、和田義親、中澤(学部2年生)
顧問:荒川悦雄

-----------顧問報告----------

 おかげさまで、本日の「2017青少年のための科学の祭典/東京大会in小金井」の東京学芸大学物理同好会によるブース出展「76 虹と宇宙線を見よう」は中澤君や多摩科学技術高等学校2年生3~4人らのアシスタントら、及び物理科OBらの大活躍によって大フィーバーとなりました。

 小生は主に虹を見るほうのコーナーに高校生アシスタントとともにおり、以下の展示と実習(順不同)を行いました。

1) 上田君が昨年末から取り組み研究してきたアルミパイプによる分光器
2) 和田さんの自動分光装置(展示のみ、途中から「調整中」)
3) 工作用紙(あるいは厚紙の方眼紙)とフィルム回折格子による分光器づくり
4) 物理の学生実験用のプリズム分光器

 「1)」用に上田君が作成したポスターは、小生も説明しましたが、小生が実習にあたっている時もポスターの前でご父兄・保護者らが指をさしてデスカッションしている様子を多々拝見しました。酸化被膜についてのご助言や実験のため塩酸を分けてくださった小坂先生も見学に来てくださり、大変喜んでくださいました。前田先生、今井先生らも見学に来てくださいました。

 「3)」の工作は、予定していた個数を午後すぐに出払ってしまい、急遽、追加の材料を工面することになり、フィルム回折格子も大きいところから切り出していただき、最後は厚紙の端材を継ぎ足して作成するほどの大人気でした。

 宇宙線を見るほうのコーナーも中澤君OBの和田様、木下様らが展示・実演しておられるのを虹の方から見るだけしかできませんでした。物理科OBらの見学もございました。展示会場の片付けの後、残ったドライアイスだけは容器の返却のこともあるので、液体窒素を追加して自S116室に移動して保管しておきました。

 このたびの準備を含めた全活動に感謝するとともに、これからの活動を楽しみにしつつ、報告いたします。

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補足(和田)

エタノールの拡散型霧箱の展示では、103H×124Φの塩ビパイプ製1個、80H×90Φのペットボトル製5個用意し、塩ビパイプ製は宇宙線用、ペットボトル製には市販線源(モナザイト)、海水塩、昆布を入れて放射線の軌跡を観測しましたが、モナザイト以外では観測できませんでした。計算では1gの昆布にはK40が1.6Bq含まれて居ます。

霧箱の底1cmの所を熱電対で温度を測定していたのですが、底をドライアイスにつけて数分で-50度位になるのですが、徐々に温度が上がってしまいます。ドライアイスは十分あるのですが回りに水で出来た霜でいっぱいになります。片付ける際に気づいたのですが、ドライアイスと霧箱の底に張っているアルミ製テープの間にも水の氷が出来ていたようです。水の氷の熱伝導率が悪いので、霧箱の底面温度が上昇し、過飽和領域が十分になくて効率が悪くなったのではないかと考えています。

宇宙線や身近な食べ物から出る放射線の頻度を直接数えて、強度の違いやポアソン分布になることを実感してもらうのを目指していましたが、感動してもらえなかったのではないかと思われます。


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